補助金は残酷です
例年の各補助金の採択率は約50%前後です。つまり、2人に1人は不採択という結果を突きつけられている計算になります。あんなにも事業計画を練って、あんなにも事業計画を作成してかけた時間が水の泡ともいえる残酷な制度なのです。
ただし、残酷な制度とは言っても、一縷の望みともいえることがあります。
それは、「毎年応募できる補助金も存在する」ということです。
国の3大補助金である「ものづくり補助金」 「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」は内容が違うにせよ、毎年募集があります。募集とはつまり「税金が充てられる」ということです。補助金は日本の課題を解決するために活用する制度です。 この3大補助金の課題は1年や2年で解決できるようなものではなく、常に発生するものです。そのため、毎年継続されて募集されるということなんです。つまり、今回がだめでも次回がある。
「リベンジ可能な補助金制度」なのです。
補助金が不採択の際にとるべき行動
「補助金不採択だった!もういいや!」と諦めていませんか?
まだ諦めるには早いです。前述したとおり毎年募集される補助金もありますし、その年に特別に出される補助金なんかもあります。ここでは、補助金不採択後に取るべき行動について解説いたします。
◎取るべき行動その1/不採択の原因を検証する
当然ですが、不採択には理由があります。ただし、不採択だった本質的な理由というのは実は申請する側は基本的にわかりません。ですが、不採択だと考えられる要因を洗い出すことは可能です。
「要件は満たしていたのか?」
「事業計画で不十分な箇所はないか?」
など、まずは不採択だった申請書類を見直して、不採択原因を洗い出してください。
【不採択原因チェックポイント】
□本当に補助金の対象だったか?
□申請内容に不備がなかったか?
□市場動向が事業内容に合致していたか?(的外れな市場動向ではないか?)
□きちんとした数値根拠を示していたか?
□補助金交付額以上の効果が見込まれたか? (投資効果があるか?)
□実現可能性があったか?
◎取るべき行動その2/次のアクションを検討する
次のアクションとは、「次の補助金申請での申請検討」という意味です。
補助金は1回で終わるものもあれば、毎年募集するものまで様々です。ご自身が申請した補助金は次もあるのかどうかを確認して、応募を検討してください。補助金は例年春先に新しい公募が開始されます。そのタイミングを逆算して、新しい補助金募集に向けて、スケジューリングを組み立ててください。補助金は早い応募のほうが、採択率高めの傾向が毎年出ています。
不採択ということは悪いことばかりではなく、事前準備の手間を省くことができます。 以前作成した申請書をブラッシュアップして、活用できることもあるため、他の応募者に比べて効率よく行動できるはずだからです。
◎取るべき行動その3/次は専門家への依頼を考える
この行動は、自分で補助金申請をした方のみご覧ください。専門家に依頼したけれども不採択だった方は、「取るべき行動その4」 にお進みください。自分で申請することは、費用面ではとてもメリットがあります。しかし、質の高い事業計画書が書けない可能性があることや、 単純な申請要件確認不足など不採択になった理由に気づきにくい可能性があります。実はちょっとした不備で不採択になっていたこともあり得ます。
もしもご自身で申請をしてだめだった場合は、思い切って補助金申請の専門家である行政書士等にご相談ください。筆者も「自分で申請したらだめだった!」という問い合わせはよく受けます。専門家に依頼するメリットの代表的なものは次の通りです。補助金をどうしても獲得したい思いがあれば、「専門家に依頼する費用」と「今後の補助金を受け取って、事業を拡大することによる投資対効果」と比較して検討していただければと思います。
<専門家へ依頼するメリット一例>
・費用がかかる分、きめ細やかな補助金の情報提供が期待できる
・より質の高い補助金申請書類を作成してくれる
・不採択後のアクションも素早く対応してくれる
・補助金以外の資金調達手段まで相談に乗ってくれる場合もある
◎取るべき行動その4/今度は別の専門家への依頼を検討する
補助金申請の専門家に依頼したとしても、100%採択されるとは限りません。補助金申請の専門家の代表格と言えば、行政書士のような 「士業」になります。ですが、補助金業務を行っていないという方もまだまだたくさんいらっしゃいます。つぎに挙げたポイントに1つでも合致しない場合は、他の専門家への変更も検討してもいいかもしれません。あくまでも1つの目安としてご参考にしてください。
【 いい専門家の見分け方チェックポイント】
□相談料無料(有料でもいい専門家はいます)。
□価格をきちんと説明してくれる。
□相談時にできないなどといったネガティブな発言をしない。
□あなたの話をきちんと聞いてくれる。
□身だしなみがきちんとして、横柄な態度を取っていない。
□不採択のケースについても知っている。
□採択されたポイントも知っている。
□不採択時に自社の立場になって、親身に新たな提案をしてくれる。
補助金が不採択だったとき
- 2022年6月7日
- 2022年6月7日
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