ものづくり補助金とは
ものづくり補助金とは、設備投資を補助してくれる補助金のことです。 ものづくり補助金を理解するには、2つポイントがあります。 それは、「①製造業だけが対象ではない」という点と「②革新性が必要になる」という点の2点です。
製造業だけじゃない!
「ものづくり」という名前のため「製造業だけ?」と思われがちですが、正式名称が「ものづくり・商業・サービス・生産性向上促進補助金」ということもあって、製造業以外でも使えます。
ですので、 「新商品・試作品を開発したい!」「新たな生産ラインを導入したい!」といったニーズはもちろん、サービス業であっても「他社にない新サービスを立ち上げたい!」というチャレンジをするのであれば、ものづくり補助金を活用できる可能性はあります。
具体的な事例としては、 「避難所向け水循環型シャワーの開発(新商品の開発)」、「作業の見える化ができる生産管理システムの導入(新たな生産方式の導入)」、「仮想通貨の取引システムを構築する(新サービスの開発)」といったチャレンジが対象となってきます。
ただし、あくまでも設備投資のための補助金ですので、サービス業の方であっても機械やシステム等への設備投資は必要となります。
「革新性」が必須!
ものづくり補助金のエントリーを考える場合、最大のネックとなるのが「革新性」になります。
なぜなら、革新性がないとものづくり補助金には合格できないからです。つまり、単なる設備の更新や増設といった投資では、革新性がないため、間違いなく不合格となるということです。
となると、「革新性って何?」といった疑問が出てくるかと思います。 この「革新性」というのは、
①自社にとって新しい取り組みであり、
②他社でも一般的ではなく、
③地域・業種内における先進
事例にあたる取り組みのことを言います (①から③すべて満たす必要があります)。
そのため、「当社初」では足りず、「業界初」「地域初」といったレベル感の新しさが必要となります。
少なくとも「この地域の同業種の中では新しい取り組みで、実際この設備を持っている同業者はいない」 といった新しさは必要となります。
ものづくり補助金の目的
ものづくり補助金の目的は、「中小企業の革新的チャレンジを支援する」ということにあります。
つまり、働き方改革・被用者保険の適用拡大・インボイス導入といった激しい社会変化の中でも、「自社のサービスや商品を革新して生き残り続けてやる!」といった意気込みを持つ中小企業を支援するのが、ものづくり補助金の目的になります。
こういった背景があるため、「革新性」が合格するためのポイントとなっています。
ものづくり補助金の補助額・補助率と特別枠
ものづくり補助金は、 「補助上限額1000万円・補助率1/2」というのが原則となります(小規模事業者は補助率2/3)。そして、その年の情勢によって、別枠が設定されます。
例えば、「低感染リスク型ビジネス枠」といった新型コロナウイルス対策の別枠が設定され、補助率がアップする年もあります。
具体的には、通常なら補助率1/2のため 「2000万円の投資で1000万円補助される」というところ、特別に補助率が2/3までアップし「1500万円の投資で1000万円補助される」といったように、手厚い特別枠が設定される場合もあります。
その他にも、「グローバル展開型」「ビジネスモデル構築型」といった別型が登場する年もあります。
ちなみに、「グローバル展開型」というのは、海外での事業展開に関する設備投資を補助するタイプになります。 海外事業の強化が目的になりますので、比較的大きめの会社や国際的業務の会社が活用するケースが多いかとは思います。なお、補助金の上限は3000万円で補助率は1/2となっています (小規模事業者は2/3)。
また、「ビジネスモデル構築型」は、中小企業が300社以上集まって、ビジネスモデルの構築・事業計画策定のための面的支援プログラムを補助するものになります。 補助金上限は1億円と高額ですが、30社以上の事業者を支援できる企業に限られるので、対象者はかなり絞られるのではないかと思います。
なお、別枠については年によって変わる可能性がありますので、最新の公募要領をご確認ください。
特別枠でダブルチャンスもある!
補助率アップ以外にもダブルチャンス(特別枠が不合格でも一般枠で合格の可能性)といったルールがある場合もあります。
例えば、新型コロナウイルス対策の特別枠の場合、「特別枠にエントリーしてダメだったとしても、一般枠での採用の可能性がある」といったダブルチャンスルールがありました。しかも、「特別枠不合格の会社のほうが、シンプルに一般枠だけエントリーするよりも合格率が高い」といった傾向がある場合もあります。
こういったことから戦略的に申請することも、ものづくり補助金の申請においては重要となってきます。
行政書士などの専門家に依頼する場合は、有利な申請の方法をアドバイスしてくれるでしょう。